イギリス人は皮肉がお好き

イギリス映画にかかせないのが、英国人特有のブラック・ユーモアです。イギリス映画を観ていれば必ずブラック・ユーモアが出てきますし、イギリス人の友人と会話していると、その真意を汲み取るのが難しいことも多くあります。

ブラック・ユーモアは、「ブラック・ジョーク」、「ブリティッシュ・ジョーク」などとも呼ばれます。

ブラック・ユーモアの特徴は

ブラック・ユーモアには、社会・政治問題への皮肉(Irony)、風刺(Satire)、嫌味(Sarcasm)、自虐(Masochism)が含まれています。ブラック・ユーモアは、シェイクスピアの作品中にも見られ、社会批判的な表現がたくさん登場します。ブラック・ユーモアは、文学や演劇の文化の中で培われてきた文化で、言葉遊びの要素があるため、間接的でわかりにくい表現が多くなります。

アメリカン・ジョークでは、わかりやすいジョークや下ネタなどのジョークが多く、大声でゲラゲラ笑うような直接的な笑いが多いです。’人種のるつぼ’と呼ばれるアメリカでは、誰に対してもわかりやすいジョークが受けたのかもしれません。それに比べて、イギリスのブラック・ユーモアでは、後からクスッとなるようなわかりにくい間接的なジョークが多いです。そのため、イギリスのブラック・ユーモアが理解できるアメリカ人は半分以下しかいないとも言われています。

イギリス人はなぜブラック・ユーモアが好きなの

島国気質

イギリス人がブラック・ユーモアを好きな理由として、島国気質で排他的で、プライドが高い性格が挙げられます。島国で他の国からの侵略がなく植民地を多くもっていた歴史と、英語発祥の国としての高いプライドがあるため、文化や価値観の違いなどに対してのブラック・ユーモアは多いように感じます。

紳士的な性格!?

また紳士文化があるため、遠回しな言い方多くなります。

イギリス人は悲観主義?

また、アメリカ人と比べると悲観主義的なので、自虐ネタも多くなりがちです。

イギリスのブラック・ユーモアは日本人と相性がいい?

島国で直接的な物言いが良いとはされない日本人には、イギリスのブラック・ユーモアと相性が良さそうです。和歌や短歌で言葉遊びの文化があり、ブラック・ユーモアの文学的な要素に似ています。

また、意外とイギリス人は信仰深くないため、モンティ・パイソンなど宗教をユーモアでいじってしまえるのかもしれません。「聖⭐︎お兄さん」など仏教もキリストもいじり倒して笑える日本人と近い価値観みたいです。

ブラック・ユーモアが楽しめるおすすめイギリス映画

ブラック・ユーモアは「モンティ・パイソン」シリーズや「イーリング・コメディ」、「ミスター・ビーン」など古い作品に多いですが、イギリス映画全般で楽しむことができます。

フォー・ライオンズ(2010年)

自爆テロをもくろむイスラム人を題材にしたコメディ映画です。テロリストになるためのイロハ動画を作ったり、テロリストらしい服装の指導マニュアルを作ります。世界情勢が緊迫しているときによくも映像化したといった感じのブラック感あふれる作品です。

シャーロック・ホームズ(2009年)

ザ・イギリス映画なので、観たことのある人も多いと思いますが、シャーロックの皮肉っぷりには脱帽してしまいます。表現が難しいため、ついていくのに苦労しますが、意味がわかるとクスッとしてしまいます。

フォー・ウェディング(1994年)

親友の結婚式でも自分の結婚式でも、いつも寝坊してしまう主人公チャールズが、4つの結婚式と1つの葬式を経て結婚とは何かを見つけるストーリーです。

ライフ・オブ・ブライアン(1979年)

イエス・キリストと同じ誕生日に生まれた主人公ブライアンが、国中からキリストと間違えられ、追いかけ回されるストーリーです。キリストの奇跡を爆笑に仕立て上げたコメディです。

マダムと泥棒(1955年)

年老いたマダムの家の2階を間借りすることになった、犯罪グループの男たち。男たちを音楽団を信じ込んでいるマダムは、甲斐甲斐しく世話を焼きますが、実は犯罪の片棒を担いでしまうことになります。

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