イギリスの階級制度による習慣の違い

18世紀後半、産業革命後から続く階級制度は、実際には法律などの制度によって決まるものではありませんが、国民の中で根付いています。従来の階級制度では、大きく分けて上流階級・中流階級・労働階級・下層階級に別れています。現在では、インフラの整備や、新たな産業が生まれ、20世紀の階級制度とは異なります。

階級ごとにライフスタイルや価値観が異なります。住む場所、教育、趣味まで違いがあります。 日本やアメリカ文化だったら生活レベルが違うことに不満をもちますが、イギリスの階級社会ではそれぞれの階級を誇りに思い、他の階級は別世界だという感覚のようです。そのため、労働階級の人が上流階級の人のように振る舞ったり、上流階級の人が労働階級の人を見下したりということはありません。

階級の特徴

労働階級は19世紀のイギリス人の大半は労働階級に属していました。労働階級には、シェフや建築業などプロフェッショナルな技術をもつ熟練労働階級と、製造業などに従事する半未熟/未熟な労働階級に分けられます。

下層階級は、日雇いやホームレスなど慢性的に失業している階級です。

発音

労働階級の人は、「コックニー」と呼ばれる下町英語を話します。発音だけでなく使う単語も異なるため、RPアクセントの英語とはまったく違う英語です。

服装

労働階級の人の服装では、ハンチング帽をよく見かけます。「ブルーカラー(Blue-collar)」は半熟練/未熟練労働者着用していた青襟の服を着用していたことが由来になります。

住居

労働階級の人々は、ロンドンのインナーシティや、マンチェスターなどの工業都市に住んでいました。テラスハウスと呼ばれる3軒以上つながっている住居や、カウンシル・ハウスと呼ばれる高層公営住宅に住みます。

食事

労働階級や下層階級の人たちの食事は、自家製で野菜中心の食事でした。小麦は高級で、白いパンを食べることはほとんどなく、ライ麦や大麦の色のついたパンを食べていました。

教育

労働階級の子供は5歳〜16歳までの義務教育を終えると大学やカレッジには進学せず、すぐに就職をします。
階級によって読む新聞が異なり、労働階級の人はSun、Mirror、Daily Mailなどの大衆紙を好む傾向にあります。

趣味・スポーツ

労働階級の人の趣味は、仕事終わりにパブで飲んだりサッカー観戦をすることです。

労働階級・下層階級の生活がわかるイギリス映画

リトル・ダンサー(原題:Billy Elliot)

ケス(原題:Kes)

フーリガン(原題:Green Street)

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